大雨、土砂、地震の災害等について、
被害にあわれた方には、
心よりお見舞い申し上げます。
私自身は、大きな災害を
直接的に経験したことはありません。
私の実家は、
宮城県の仙台市にあります。
2011年3月11日、
実家は、地震時、津波等の
被害は受けませんでしたが、
ガス、電気、水道等のライフラインが
しばらく止まりました。
そして私の母は、震災を機に
認知症の症状がぐっと目立つようになりました。
地震に遭遇していない私には
測り知れないほどの
大きなストレスを受けたのだと思います。
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私たちは、自然災害もそうですが、
たとえば、
戦争、交通事故、犯罪、DV、レイプ、虐待、いじめなど、
何がしかの理由で、
心理的に大きなショックを受けた時に、
その影響が心と身体に長く残ることがあります。
その体験後、時間が経っても症状が
消えずに継続したり、
繰り返し現れたりするような場合です。
たとえば、
・眠れない。眠ってもすぐに目が覚めてしまう。
・その体験を繰り返し思い出す。
・フラッシュバック
・夢に見たり、出て来る、
・テレビなどでその場面が出てきたり、
それを連想させるものに接すると心や身体が反応する。
・子どもが、その体験したことのごっこ遊びをする。
(※これは、本能的に心の回復を試みているので叱らないでくださいね。)
・毎年、その日が来ると情緒不安定になる。(記念日症候群)
・その体験に関係することについて、
話したり、考えたり、感じることを避ける。
・孤立したり、ひきこもる。
・イライラしたり、ピリピリするようになったり、 キレやすくなった。
・集中力や注意力が低下してしまった。
ということなどがあります。
また、その辛い体験や経験が、
うつ病や不安障害、解離性障害、アルコール依存、
パーソナリティ障害等につながることもあります。
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さらに、私たちは、
自律神経システムの自己調整能力の
キャパシティーを超えて
心が受け止めきれないほどの
ストレスを感じると、
心が凍り付いたように
固まるということが起こります。
そうすると、
・辛いはずなのに、悲痛感や不安、怖さを感じない。
・無表情になる。
・自分の心が身体から離れてしまっているように感じる。
・現実感や感情がなくなったように感じ、何事にも実感がわかなくなる。
・麻痺しているように感じたり、孤立していると感じる。
・感情の反応がないように感じる。
・いつもぼおーっとしていたり、 時々、ぼんやりうわの空になる。
・けがをしても痛みを感じない。
・現実のできごとなのに、 ドラマや映画、夢のようで現実感を感じない。
などという症状が出ることがあります。
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また、その経験や体験によって、
考え方や捉え方、価値観が、
がらりと180℃変わることもあります。
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・努力してもいいことはないと思う。
・世の中は、危険だと思う。
・人や家族、友人は、いざとなったら冷たい。
・引きこもって、家から出たくなくなる。
・将来に希望が持てない。
・いつも油断ならないと感じる。
このように心に大きなショックを受ける体験のことを、
トラウマ(精神的外傷)と言います。
人によって出来事の受け止め方や
捉え方はそれぞれ違うので、
同じ体験をしても必ずしも全員が
トラウマに悩むわけではありません。
だからこそ、つい、
いつもとようすが違う人に対して・・・
「頑張れ!」
とか、
「元気を出して。」
とか、
「もういいかげん、前を向こうよ。」
などと、言ってしまいがちになるかもしれません。
励ましや激励、アドバイスは、
かえって逆効果になってしまいます。
ただ話や気持ちを聴いてあげてください。
まずは、心の正しい仕組みを知って理解することからです。
いずれも、一人でがまんしたり、頑張らずに、
心療内科や精神科クリニックを受診する、
適切なカウンセリリングを受けるなど、
専門家への相談をおススメします。
喪失感を抱えたり、
気力をなくしたり、
辛い気持ちの渦中にいる方に、
一刻も早く、心の平安が訪れますように。
あなたとあなたの大切な方が、
いつもおしあわせでありますように^^