不登校・ひきこもりのお子さんが否定されていると感じる時

不登校やひきこもり、家庭内暴力等、子どもが否定されたと感じるのは
いったいどんな時なのでしょうか?

「子どもが、不登校になってなかなか動き出しません。
状況を好転させるためには、どうしたらよいのでしょうか???」

以前、不登校の親の会で出た質問です。

「親があれやこれや言ってきたり何とかしようと思っているのが伝わってくると

“今の自分じゃダメなの???”

と、子どもの頃の私は、自分が否定されているような気持ちになりました。」

ご自身が子どもの頃、不登校を経験され、現在はフリースクールのベテランスタッフである方のお話でした。

 


もうこの方のこのお話に、ほぼ答えは集約されているのかもしれません。

子どもだけでなく私たち大人も、誰かにあれやこれや言われたり、暗にこうして欲しいという意図を感じたりという、
相手が自分をコントロールしようとする気持ちが伝わってくると嫌な気持ちになりますよね…

たとえば、親が、子どもについてのグチばかり言いたくなったり、
子どもの表面上に観えていることや行動について不満に思ったり感じている時は、
親が、これは子どもの問題だと決めつけている時です。

それは、“あなたが問題なのです!”と、無意識に子どもを責めている。

子どもに原因を見つけ、子どもに変わって欲しいと思っている時ではないでしょうか?

これは、子どもに問題の矢印が向いているということに他なりません。

子どもをどうにかしたい、どうにかしよう、どうにかなって欲しいと思っている時は、“子どもを変えようとしている時”です。

”今のあなたではダメ!”

そんな、今の子どもを否定するメッセージが、親の言動、態度や表情から子ども自身に伝わっています。

そうすると、何が起こるかというと、子どもはどんどん自信をなくし、元気もエネルギーもなくなっていって一日中ゲームに没頭したり、部屋から出て来なくなります。

子どもは、【防衛機制】という本能の働きで、自分が傷つかない、少しでも辛くない方法を取り、自分を守るからです。

親が、

『この子が今、このように行動せざる得ないのはなぜか???』
と、子どもの気持ちを考えてみる。

子どもの身になって思いやってみる。


そして・・・

『自分がこの子の今の症状や行動や状態について、何か一役担っているとしたら?』

『もし、影響を与えているとしたらそれはどんなことか?』

『もし、自分のやり方や言動や感情、態度が、わが子に何か関係があるとしたら何か?』

と視点を変えてみる。

この意識が向いているベクトルが、子ども(相手)→親自身(自分自身)に変わった瞬間が、状況や状態が変わる一つ大きなターニングポイントになります。

子どもはある意味、親に許されからです。

親が先に存在していて、後から子どもが生まれてくる以上、子どもに何か症状が出たり、問題を感じる時、
まず、親自身を振り返ってみることは、至極、当然のことなのかもしれませんね。

(私は、長年それができず不登校も長引きましたが。)

そして誤解していただきたくないのは、親がわるいと言っているのでは決してないということです。

私自身もそうだったように、子育てで悩まれる親御さんは、どなたも置かれた環境の中で子ども時代を精一杯生き抜き、
そして大人になり、現在その体験を元に、最善を尽くして子育てをされていると感じるからです。

そしてですね。

親と同じかそれ以上に、

子どももまた、置かれた状況や環境の中で最善を尽くして生きていきているのだ。

子どもが親自身の生きづらさを知らせてくれていたのだ。

親の重荷を子どもながらに肩代わりしてくれていたのだ。

そして、親がしあわせに生きるために、子どもが身を呈して教えてくれていたのだ。

ということが腹落ちした時、私は、わが子に対して自然に感謝の気持ちが湧き上がり、涙が止まりませんでした。

その時子どもは、本当の意味で救われたのだと私自身の経験から感じます。

 

 

実はこれは、何も、子どもの抱えている問題や悩みに限ったことではありません。

恋人、夫婦、仕事上のつき合い、職場、友人、親との関係・・・

あらゆる人間関係の悩みにおいて、同じように当てはまることです。

たとえ、相手の問題と思えることであったとしても、

【じゃあ、私には相手にそうさせる一因がないのか。(なかったか。)】

そう捉え方を変えてみることで、新たな心地よい関係性を築く道が拓けてきます。

親より弱い立場の子ども、まだ一人では生きていく術を持たない子どもは、身を呈してさまざまなことを親に教えてくれています。

あなたご自身の気持ちや感情に意識や目を向けてみる。

別の角度から視点を変えて捉え直してみることが、夫婦関係も含めて、
あらゆる人間関係の悩みや問題を解決して大切な人と信頼関係を持って心穏やかにあたたかくつながり、
良好な関係性を築くための大切なポイントだと感じています。

 

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この記事を書いた人

江上 ユキ

江上 ユキ

《全国・海外オンライン、広島・東京対面》

イライラ、不安、自分を責める
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親子関係解決カウンセリング

【親子問題と感情の専門家】
心理カウンセラー・セラピスト 江上ユキ