▼子どものトラウマケアで大事なこと
身の安全を脅かされるような
トラウマ体験をすると、
大人も子どもも
心理的な問題や 不適応を起こします。
ただし
子どもが大人の場合と違うのは、
子どもは大人のようには
状況を理性的には理解できないし
自分の考えや気持ちを
言葉に表現して伝えることができません。
子どもが大きなショックを受けた時、
子どものトラウマケアでは、
〇周りの大人が子どもの変化に気づいてあげる
〇緊迫感を感じたり、不安を増幅するようなテレビ番組を見ないようにする
ということが重要です。
また、親の心理状態(不安、緊張、混乱など)も
子どもの心理状態に強く影響を与えます。
小さなお子さんに見られるASD(急性ストレス障害)や
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状としては、
・ トラウマ体験を遊びの中や夢の中で再現する(地震ごっこ)
・ トラウマ体験(地震)について繰り返し話す
・ トラウマ体験(地震)に関係する話を非常に嫌がる
・ 登園、登校を嫌がり、親にまとわり付く(分離不安)
・ 赤ちゃん返りをする(指しゃぶり、爪噛み)
・ 自分一人でできることでも親に甘えてやってもらいたがる
・ おねしょをする
・ ひとりでトイレに行けなくなる
・ ひとりで寝れなくなる
・ 夜泣きをする
・ 暗所を恐がる
・ 集中力がなくなり、注意力が散漫になる
・ 小さな物音にも驚きやすくなる
・ 興奮しやすくなる
・ イライラする
・ 不安、落ち着かない
・ 下痢/便秘をする
・ 不眠
・ 無気力になる
・ 食欲がなくなる
・ 食べ過ぎる
・ どもったり、目をパチパチする(チック症状)
・ 目や皮膚のかゆみを訴える
・ ゼーゼーする
などがあります。
こうした症状は、
数日から数週間程度で
消失する場合が多いようですが
ときには1ヶ月以上続いたり
あるいは、数ヶ月以上経ってから現れたりと
長期にわたる場合もあります。
▼周囲の大人の心がけについて
周囲の大人の心がけとしては、
子どもに現れた
上記のような症状を異常なものとは捉えずに
むしろ
子どもが非常に辛い(恐い)体験を
経験した後に示す自然な反応として
子どもの状態や気持ちを
しっかりと受け入れてあげましょう。
・ できるだけ子どもと一緒に過ごす
・ 子どもの考えや気持ちを聞いて受け入れる
・ 子どもをハグする(スキンシップ)
といった関わりを通して、
子どもに安心感を与えてあげてください。
もし、子どもが
そのときの出来事や気持ちについて
話しをしてくれたときには、
「恐かったね。もう大丈夫だよ」と言って
落ち着くまで、子どもを両手で
ギューッと抱きしめてあげてください。
子どもは自分の気持ちが
周りの大人(親)に受け入れられると、
辛かった出来事を過去の記憶として
心理的にも身体的にも消化しつつ、
処理をすることが可能になります。
お母さん、お父さんの「抱っこギューッ」で
子どものPTSD(ASD)を防ぐことができます。
★注意点
トラウマ体験について
子どもに無理に話をさせようとすることは
絶対に止めましょう。
無理に話をさせようとするのではなくて、
話をしやすい環境を整えることが重要です。